【ネタバレ】地球が静止する日

任務遂行のために地球へとやってきた、宇宙からの使者クラトゥ(キアヌ・リーヴス)。クラトゥの謎を解き明かすべく政府や科学者はやっきになる中、今訪れんとする危機に気付いたのはヘレン(ジェニファー・コネリー)と息子(ジェイデン・スミス)だけだった。

http://www.movix.co.jp/app/title/T0006558.html

以下ネタバレ含みます。見る予定の方、みる可能性のある方は避けていただきたいと思います。




CGの使い方がよいかなーと

宇宙人が地球を壊すためにちょっと面倒くさい方法をとるんですが、その描写はまさにCGが生かせるところだと思いました。昨今はCGなんか普通ですし、別に手法が新しいというわけではないんですが、CGでの見せ方がうまいと思いました。またNYという舞台のチョイスもよいです。この地球の壊し方の描写が一番映える街だと思いました。

ストーリーは・・・

いまいち大きな見せ場がなかったと感じています。宇宙人に地球を破壊されそうになってピンチはピンチなんですが、それに説得力がない。なんで退屈までとは言いませんが、いまいち面白みのない感じになっている気がしました。

人の描写をもっと丁寧に

なんで面白みがないかというと、人の描写が雑過ぎたんだと思います。今回のストーリーでキーポイントになるヘレンとその息子をもっと丁寧に描くべきでした。宇宙人クラトゥはこの親子を見て、地球を救おうと決心するのですが、その心変わりの様子が雑だと説得力がなくなってしまいます。まず、息子の宇宙人に対する不信からある程度信頼するところの心情の変化があっけなさすぎます。ここはもっとイベント性を持たせてもよかったと思います。もうひとつ、この親子、血がつながってないんですが、それでも深い親子という絆が宇宙人クラトゥの心を動かすはずなんです。なのにあまり大した絆が見えぬまま心変わりしたのが嫌でした。

でクラトゥって長門でしょ

クラトゥは使者であり、その上には宇宙人の偉い代表者がいる、という設定でした。つまり長門と一緒なのです。クラトゥは人間とコンタクトするためのインターフェイスであり、決定権を持ってはいなかった。なのに最後、勝手に地球を救いました。クラトゥが心変わりしてから、地球を救うという行動をするまでに、宇宙人の偉い人に関するプロセスが抜けているため気持ち悪かったです。そこの説明は必要なのではと思いました。

国防長官のおばさんが個人的によかった

大統領の命令で動くおばちゃんは、宇宙人攻撃派のリーダーなのですが、どうにもうまくいかず少し希望をかけてヘレンの宇宙人と会話派を黙認します。でも黙認で自分の立場あくまで攻撃派であり、そのことはヘレンに伝えています。これって、確実にヘレンを助けるフラグじゃないですか。なんだったら命と交換にぐらいの勢いだと思います。でも本作では彼女はきちんと大統領の命令通り宇宙人を攻撃した。その描写はリアリティがあってよかったと思います。ほんとに細かいところなんですけどね。

総じて・・・

映像の見せ方が良かっただけに惜しい。宇宙人の心変わりのようす、そのきっかけとなった親子との映し方をもっと丁寧にすれば、もっと楽しめた気がします。