少年メリケンサック

メイプル・レコード新人発掘部門のかんなは、会社退職予定のその日、動画サイトに投稿されたパンクバンド、少年メリケンサックに釘付けになる。イケメンギタリストがギンギンに弾きまくり、凶暴なパフォーマンスでファンを熱狂させているのだ。早速、バンドとの契約に乗り込むと、そこにいたのはイケメン青年ではなく、昼間から酔っ払ったオッサン。動画に投稿されていたのは25年前のライブ映像で、メンバーは50代になっていた!

http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD13282/story.html

コメディ!

見終わった後に純粋に楽しかったと思えるコメディがいいコメディだと思っています。そういう点ではこの映画はとてもいいコメディ映画でした。ともすれば下品とか、はたまた差別的な要素にまで踏み込んでしまいそうなネタを見事に笑いに変えてしまっているところも演出が巧みであると思わずにはいられません。

なんといっても宮崎あおい

前半は宮崎あおいにひきつけられまくりで過ぎていきました。ホントなんたるキラースマイル。この映画のすばらしさの半分は彼女の魅力でできているといっても言い過ぎではない?くらいの彼女のかわいらしさを生かした演出でしょう。

中盤がグダッた

宮崎あおいの魔力がきれはじめる中盤、物語も転がっていくのですがちょっと間延びした感はあります。ところどころ笑いをいれて間をつないではいるのですが肝心のストーリの内容があまり進展せず、同じところを2週くらいしている感覚。この辺はとっても惜しいところではないかと感じます。

2本の軸

この話は2つの軸があると考えています。ひとつは佐藤浩市木村祐一演じる中年パンク兄弟の不仲の歴史。そしてもうひとつは宮崎あおいのパンク嫌いの心情変化。前者の軸はなかなかよくできていると思いました。最初に張った何気ない伏線を最後の落ちに持っていったところはとてもスパイスが効いていました。(もう少しそれを生かしてもよかったのではと思いますが。)一方後者の宮崎あおいの心情変化がいまいちです。パンクに対しての嫌悪感を強くする演出に説得力がないため、なんで落ち込んでいるのかわからない。その嫌悪感を埋めるギャップがあるからこそ、パンクに魅かれていく心情もメリハリを持って描けるはずなのに、それもなくなってしまいます。全体として笑えて楽しい映画なので、ストーリーにもっと緩急をつけてもらえるとよかったなと思います。

総じて・・

グダグダはありましたが、それにもお釣りがくるぐらいのコメディ要素と宮崎あおいの可愛らしさ。最初に言ったように後で楽しい気分になることができるので、かなりお勧めな映画です。